玄録

玄録は、秀玄舎の事例を通した、
実践研究の成果をご報告する不定更新の
ビジネスレポートです。

IT投資展望

変化する投資主体

2004.04.08

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 2003年以来、公共事業を中心にして「情報システム」の発注形態に”VFM型”と呼ばれる、ある傾向が見られるようになりました。 VFM(Value for Money) は性能発注という発注形態を指し、英国の公共事業契約におけるPFIがモデルになっていると考えられます。

 PFI (Private Finance Initiative) とは、事業仕様を受注側が決定するという事業受注モデルです。 従来の公共事業では、事業構築上必要になる各仕様は、発注側である自治体が検討・決定していました。 いわゆる「仕様発注・価格入札」の形態です。
ここでいう”仕様”とは、例えば「刑務所における監視党の数」「病院におけるベッドの数」「システムにおける画面・機能」に相当します。

 一方、PFIモデルでは、VFM≒成果主義 の考えのもと、発注サイド(自治体)は事業の成果指標のみ指定します。 「刑務所における収容囚人の数」「病院における処理可能患者数」「システムにおけるサービスレベル」などです。 必要な成果指標のために、どのような仕様にするかは、受注側がノウハウを要求されることになります。

 公共事業におけるPFIは、納税者のための公共事業であることを明確にし、コストパフォーマンスを追求する画期的な発注方法であると同時に、競争によって培われた民間の優れたノウハウが公共サービスに活かされるというメリットを発揮します。2002年度には英国の公共事業の20%(金額ベース、2002年実績) 、日本国内でも地方・中央あわせて80件以上の公共事業 (2002年度実績)がPFI方式に移行しています。

 最も注目すべきは、こうした「性能発注/VFM」の考え方が一般企業におけるIT投資にも波及しつつある傾向です。