情報システム部門展望
情報システム部門の環境変化
80年代~90年代の情報システムは、主に業務の効率化を目的としていました。
システムベンダーの多くは大型のコンピューターメーカーが中心であり、「ITによる新たなビジネスモデルや取引形態」という、革新のための情報システムは稀な存在でした。
- システム導入の目的は、既存業務の効率化
○ 業務の整理・把握
× 業務の見直し・設計, ビジネスモデルを変えるIT
- システムベンダーの多くはハードウェアメーカー
2008年前後から、コンサルティング会社によるSI業界への参入や、インターネット技術の進歩・普及によるITと実生活の融合により、e-Business という言葉に代表されるような、新しいITへの取り組みが、IT投資の主流になりつつあります。
※e-Business : ITを単なる既存業務の代行・効率化だけでなく、ITを利用することで新しいビジネスモデル・取引やコミュニケーション形態を創造し、直接的な競争力にしようとするコンセプト
また、技術のオープン化と標準化が進み、企業の多くはシステムの構築や運用をアウトソース(外注化)しています。
システムベンダーの多くはハードウェア依存を弱めながら、ソフトウェアメーカーやコンサルティング会社あるいは運用や保守などのサービス分野を強化しており、アウトソーシングの過程でシステムにかかるコストが可視化する流れが加速しています。(可視化⇒変動費化⇒削減検討)
そうした情報システムをとりまく環境変化の中で、企業内のIT投資効果を最大化するために、従来の情報システム部門には、システム構築・運用の他に新たな機能が要求されています。
本レポートでは、いくつかの先進的な企業の事例をもとに、そうした時代の変化に対応するための企業内の新たな機能についてご報告いたします。