玄録

玄録は、秀玄舎の事例を通した、
実践研究の成果をご報告する不定更新の
ビジネスレポートです。

情報システム部門展望

組織の流動性とノウハウ

2004.07.16

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  5回にわたってお送りしてきましたとおり、90年代後半から21世紀にかけてITが経営にとって重要な要素になっていることの結果として情報システム部門のミッションは拡大傾向にあります。

 こうした拡大傾向と、情報システム部門の生い立ちとの間で整合性がとれないことから、新しいミッションを必ずしも情報システム部門に課さない事例が多く見受けられます。
 ・企画機能は利用部門に移管する。
 ・知識部機能は経営企画部門が担う。
どの部門がミッションを担当するか は重要な課題ではありません。

 本レポートの最後に、「本業とは直接関係の無い」情報システム部門のスキル と新しいミッションとの整合性を保つために、各企業がどのような試みをしているのか を例に、企業が持つ「情報システム部門」の今後について以下のとおり提言します。

 CIOやCKOあるいはCCOといった、通常のラインとは異なった部門横断型の新たな機能の要請は、部門縦割りの組織運営の弊害に対するアンチテーゼです。特に、従来の情報システム部門がかかえる「保守的・リスク偏重」といった課題は、本業現場を知らないがゆえの、必然的な結果といえるでしょう。

 CIOやCKOといった新しい機能の設置を検討するまでもなく、そうした必然性を回避するために必要な手段は、現場部門出身の間接部門社員比率を増すことです。当然のように、相対的な間接部門ノウハウの低下(蓄積期間の低下)が予想されますが、間接部門に本業主導の思考をもたらすメリットは計り知れません。

 アウトソーシングによる最も重要な効果は、外部スキルの活用以上に固定費の変動費化です。激変する経営環境と同様に、ITの技術革新の速度は激しく、情報システム部門は本業の要請に応じてスピーティにIT環境を整備する必要があります。その意味で、会計上の本業連動(変動費化)を指向するだけでなく、組織のノウハウや意識も本業に沿うための改革を行うべきでしょう。