玄録

玄録は、秀玄舎の事例を通した、
実践研究の成果をご報告する不定更新の
ビジネスレポートです。

日本型ナレッジマネジメント

欧米型KM

2004.10.29

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 現在でも、欧米の企業でミッションを個人まで落とし込む、個人完結型のワークスタイルが変化しているわけではありませんが、多くのKMを実践している企業ではその弊害に対してなんらかの対策がとられています。つまり、ミッションは個人で完結したとしても、その業務のプロセスや成果物を組織で共有することで業務ノウハウの底上げを企図する という知識管理のアプローチです。

 前提となる課題が、「個人で完結していたノウハウ」であったために、まず取り組むべき対象が「ノウハウを組織で共有する」ための工夫でした。 そうして誕生したKMアプローチは、現在多くのKMプロジェクトでほぼ共通してとられている以下のアプローチです。

① 既存の分散するドキュメントベースに対して、一括でアクセスできる環境を整備する(リポジトリの構築、もしくはポータルの構築)
② 意識の高い少人数のプロジェクトで、リポジトリに対する投入と活用のフローを設計する、あるいは(パイロットプロジェクト)
③ 知識資産の提供に対するなんらかのモチベーション(インセンティブ)の設計
④ パイロットプロジェクトの拡大(ロールアウト)

 あくまで欧米型プロジェクトのスタートラインは、「個人で完結していたノウハウを吐き出させること」であることが重要です。 そのため、重要なことは、吐き出す先(ITプラットフォーム)の整備と動機付けでした。

 こうしたKMアプローチは欧米型企業で一定の成果をあげたと言うことができるでしょう。 欧米の企業でCKOを設置し、KMに取り組んでいる企業のほとんどは、そのためのIT環境を整備しています。先述のとおり、欧米型アプローチは欧米型ワークスタイルの欠点を補う意味で成果をあげていると言えます。次回で模索する日本型KMは、日本独自のワークスタイルを強く意識しており、それはとりもなおさず、暗黙知のハンドリングを目的とした、より高度なナレッジマネジメントなのです。