玄録

玄録は、秀玄舎の事例を通した、
実践研究の成果をご報告する不定更新の
ビジネスレポートです。

CIOとIT部門

CIOとCKO

2005.04.11

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 本シリーズは、IT部門への新しい要求と、それに対応するためのCIOという機能についてご報告してきました。

 最後に、CIOと同じように昨今注目を集めるCKOについて、秀玄舎KMチームでの事例を踏まえてご報告します。

 CIO同様に新たな組織として注目を集めるCKOですが、その沿革は大きく異なります。CIO が、業務のIT化依存度拡大にともなって、経営企画機能としてのバランスを要求されるのに対して、CKOは新しく注目されつつある「知識資産(無形資産)」の管理と強化を担当します。

 CIOは既に確立した組織体系(情報システム部門)と資産(IT資産)の上に成り立つのに対して、多くのCKOは新しい組織体系と、不透明な資産(無形資産)を任されることになります。

 付加価値創造が企業にとっての収益源になるとすれば、21世紀の付加価値の源泉である知識をはじめとする無形資産は企業が能動的に管理・強化すべき資産である。これが、ナレッジマネジメントの基本思想です。

 ヒト・モノ・カネという伝統的な各経営資産に対して人事部・マーケティング部(開発部 etc.)・経理部といった管轄部署が必要なように、知識という新しい経営資産にも、管轄する部署が必要です。あえていうならば知識部とでも言うべきこの新しい必要な機能の長がCKOということになります。

 CKOの業務は主に、
○社内の知識資産の把握
○社内外の知識資産の評価
○知識資産の維持・強化のために必要な諸施策の企画と実行

ということになるでしょうか。ここで特筆すべきは、3点目の「諸施策の企画と実行」です。知識資産の評価や把握といった新たな経営情報は、企業に必ず有益な情報となるでしょう。しかし、現状の整理だけではCKOの仕事は不十分です。先述のように、 CKOは定まった組織を持たずに職務を開始するため、実行フェーズでは常に既存の各部署との連携が必要になります。

 その意味で、CKOに求められる要素もCIOと同じように、現業に対する深い理解と見通し、そしてコミュニケーション能力が要求されます。

 人材の流動化やM&Aの活発化、あるいはグローバル化やIT化の流れの中で、企業のアイデンティティや競争力の源泉を正しく把握し、共有することがより困難になりつつあります。21世紀の企業にとって、CKOまたはそれに類する機能のノウハウは非常に重要な経営要素となるでしょう。