玄録

玄録は、秀玄舎の事例を通した、
実践研究の成果をご報告する不定更新の
ビジネスレポートです。

デジタル世代交代「発信者世代」

(前編)

2005.04.25

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 2005年も春を迎え、多くの企業で新入社員が入ってきていることでしょう。21世紀の新入社員世代は、学生時代からコンピューターに慣れ親しんできているという特徴を持っています。

 これまで多くのIT投資プロジェクトが「現業部門のITリテラシが低い」ことを理由に「至れり尽くせりの機能」を追求して高コスト構造になり、あるいは「せっかく用意したシステムが現業部門のコンピューターアレルギーが原因思ったほど利用されない」といった失敗を繰り返した時代は、過去のものになりつつあります。

 IT化プロジェクトのチェンジマネジメントにおいて、この「リテラシに起因する利用度合い」は常に最大の課題でした。ゆるやかに行われる世代交代において、こうした課題は自然と解決していくはずで、その意味では「コンピューターに慣れ親しんだユーザー」を意識した、よりデジタル化された業務運用を設計に盛り込む必要性が高まるでしょう。

 余談ではありますが、多くの情報システム部門が、現業部門に負担をかけない ことを謳いながら、手取り足取りの贅沢な機能をシステムに盛り込んできましたが、これは結果的に現場のリテラシ向上を阻害する結果になりました。情報システム部門に戦略的な指向があるならば、現業部門のリテラシ向上までを視野に入れたプロジェクトを企画すべきでしょう。

 さて、IT投資あるいは企業のIT価値創造を企図するうえで、「社員間のデジタルディバイド」は避けて通れない課題です。しかし、昨今の若手ホワイトカラーとベテラン社員との間にには、コンピュータへの親和性だけでなく、もっと別の格差が生じる可能性があります。

 後編では、「発信能力」ディバイドについて考察します。