知識共有と組織構造について
知識共有と流通
対象となる知識が、文書化・明示的な形式知であれ文脈的な暗黙知であれ、とあるグループや組織内での知識共有の効率は、直接的なコミュニケーションの質・量に強く依存します。ここでいう「質」とは、「上手な会話や表現」という意味ではなく、知識に関する意識が高いタイミングで行われる会話 という意味です。
企業内で最も安定して、頻度の高いコミュニケーションは、部下と上司, マネージャーとスタッフ、そして同僚やスタッフ間のコミュニケーションといえるでしょう
。 自然と、企業内の組織体系において、同じ組織系統に属するメンバーの間では共通の知識ベースが形成されます。
●事例
あたりまえのようなこの現象は、意図的なナレッジマネジメントを推進しようとするならば実は非常に有効かつ重要な要素となります。
秀玄舎のKMグループが分析を行った二つの企業では、同じ業種・同程度の規模でありながら、組織構造が異なることから、強みとなる知識分野に顕著な違いが見られていました。
仮にこの2社を、A社とB社としましょう。
A社, B社は双方とも大手コンピュータメーカ系列の関連子会社でした。 2社ともに、エンドユーザ企業に対するシステム構築を主とするシステムベンダー業種に属しています。 2社ともに500名を超える技術者(SE)部隊をもっていました。