玄録

玄録は、秀玄舎の事例を通した、
実践研究の成果をご報告する不定更新の
ビジネスレポートです。

システム開発におけるトラブルとプロジェクト管理の役割

トラブルの対処方法

2005.08.26

  • Facebook
  • mixi
  • hatena

3.トラブルの対処方法

 トラブルの根本原因からスケジュールや提供機能への影響度、効果性を考えて、対処する順番と対処方法を決定することが重要です。

①プロジェクト管理の問題
 プロジェクト全体に影響する重大な問題であるため、本来あるべき姿に戻すには時間がかかります。プロジェクトマネージャ・プロジェクトリーダを強化し、プロジェクト推進方法を見直すことが重要です。

 プロジェクト管理を推進することにより、以下の問題に対処します。

・プロジェクト計画の甘さの対策
 プロジェクト内のそれぞれの作業の細分化ができていないため、再度作業の細分化とリソース配分見直しを実施し、スケジュールを建て直します。見直し後の計画が大幅に当初計画より遅延する場合は、リソースを増強して対応します。しかしリソース増強で効果が出る作業と出ない作業があります。
 例えば、コーディング途中の増強は引継ぎ・立ち上げに時間がかかり効果が少なく逆に計画が遅れる場合がありますが、結合テストでは効果が非常にでて、テスト期間の短縮により、計画を当初に近づけることが出来ます。

・手抜きの対策
 手抜きを防止するためには、定量的な数値によって正確な進捗管理を実施することが必要です。
 例えば、コーディング工程では、開発機能単位の予定ステップ数と実績ステップ数で定量的な管理を行います。テスト工程では、開発機能単位の予定テスト数と実績テスト数、障害数、修正数で行います。
 定量的な数字を利用することで感覚論ではなく具体的に、予定数から抜けがないかのチェックや、そのテストが実施されたかのチェックが可能となります。テスト組み合わせの要因分析を行い、有効な組み合わせ数とアプリケーションの障害に対する影響度から品質レベルとテスト予定数を判断することも必要です。
 手抜きが発覚した場合は他に同様の問題がないかチェックを行い、手抜き作業部分を見直します。

・プロジェクト内の風通し
 進捗管理とは別にトラブルを早期検出するために、プロジェクトの風通しは重要です。しかし人と人との関係のため、改善には時間がかかりますが、地道な改善が必要です。

・顧客との調整
 ヒアリング、仕様確認、開発状況説明など、顧客とのコミュニケーションを円滑に実施するように改善します。顧客との調整は、プロジェクトを円滑に進め、顧客理解を得ることは非常に重要です。

②開発技術力の問題
 この問題もプロジェクト推進に大きな影響をもたらします。問題となった工程でのスキルを保有する技術者を強化し見直しが必要です。

・設計ミス
 設計ミスは初期段階で作り込まれ、システム全体に影響を及ぼす問題です。代替案を検討し、代替案ではどうしてもクリアできない場合は設計工程まで戻って再設計が必要です。コストも非常にかかり、スケジュールが遅延する可能性があるため、将来の拡張性や再スケジューリングへの影響など、良い点と悪い点を十分に検討して顧客との調整が必要となります。

・開発スキル不足
 プロジェクトに参画した技術者のスキルが不足している場合に、そのスキルを保有する技術者の導入が必要となります。コーディングでの増員は、立ち上げ期間など考慮して対応が必要となります。

・テスト不足
 障害の収束度、障害内容からテスト不足部分を洗い出し、再度、要因分析で抜けがないかを調べ、追加テストを行います。テスト要員の増強も効果があります。

次回は、『その4:プロジェクト管理の重要性』について、ご説明します。