玄録

玄録は、秀玄舎の事例を通した、
実践研究の成果をご報告する不定更新の
ビジネスレポートです。

IT投資を長期的に効率化する

ITリテラシー向上の方法論:従来の問題点(前編)

2006.08.28

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 90年代の多くの企業において、システム利用は「間接業務」でした。

 IT部門に課せられた優先課題は、「ユーザー部門に負担をかけないよう、至れり尽くせりのIT環境を用意すること」です。

 結果的にIT部門は「現場ユーザーのPCが故障しても30分以内に復旧できる」とか「システムは年間で99.99%稼動する」とか、そんな些末な数字を誇らしげに報告するようになり、いっぽうでユーザーの中にはデジタルディバイドが顕在化するようになります。

 ユーザー間のディタルディバイド つまり、システムの中身を良くわかって有効に活用し、トラブルに備えることができたり、代替するデータの存在を知っていたりといった、自発的にリテラシーが高いユーザーとマニュアル通りにしかシステムを使えない、システム隷属ユーザーとの間に大きなスキルの差が発生してしまったのです。

 21世紀になって、ITが現業の重要なポジションを占めるようになっても、この傾向に歯止めはかかりません。

 ナゼでしょうか?

 それは、IT教育のあり方に問題があります。

 90年代の流れをひきずったIT部門は、社員のIT教育の段階で「必要なシステムの使い方を学ぶ」ために時間とお金をかけようとします。マニュアルどおりに仕事をこなしてもらうことだけが、IT部門の関心事だからです。

 本レポートで前回にわたって報告した「ITリテラシー向上の効果」における「ITリテラシー」とは、「マニュアルどおりにシステムを使う技術」 ではありません。

 データとは何か、ITは何をしてくれて、何ができないものなのかに対する理解を深めることです。

 社員に対するIT教育は、システムの使い方よりもまずITとは何か について説明するべきなのです。


 次回は、なぜ「マニュアルどおりにシステムを使う技術」を教えるより「ITに対する理解を深める」ことが重要なのかについて報告します。