システム開発におけるトラブルとプロジェクト管理の役割
プロジェクト管理の重要性
4.プロジェクト管理の重要性
全てのプロジェクトは、今まで説明した色々なトラブルだけでなく更に複雑なトラブルが発生する可能性を秘めています。プロジェクト管理を実施することで、トラブルを早期に検出し迅速に的確な対策を打つことが重要です。
①定量的な評価
正確な現状を把握するためには、定量的なプロジェクト評価が必要となります。それには各工程で定量的なプロジェクト状況を把握します。
・ 要件定義工程
業務単位の要件数、要件確定数、検討課題数
・ 開発準備工程
開発環境として必要なマシン、ソウトウエア
・ テスト工程
開発機能単位に実施した要因分析を利用した予定テスト数と実績テスト数、障害数、修正数
・ その他
課題管理と解決数、残数、解決しなければならない期限
②定常的な進捗管理
大工程として、顧客との大まかなスケジュールの立案、そして各定量化したものをスケジュールに組み込み、その必要とするリソース(開発要員、開発環境、テスト環境)準備状況、実績などを定量的に進捗管理します。これにより細かな現状を認識できます。
③迅速な判断・決断
進捗管理で把握した現状や、詳細の予定から、トラブルになりそうなものを早期に検出し、その対策を立案します。早期に対策を打つことは、トラブルが拡大してしまった場合よりリソースが大幅に少なくできます。間違う可能性を悩むより、早期対応を実施し軌道修正を行うことが重要です。
トラブルの芽を早期に検出し対策を打つためにプロジェクト管理を実施することで、さらにリスク管理や不足スキルの把握から教育につなげる発展させることも可能です。
次回は、『その5:プロジェクト管理の発展性』について、ご説明します。